広報100箇条

広報実務にヒントとなるノウハウを紹介していきます。 広報力向上に少しでも寄与できれば幸いです。

政治の振り見て我が振り直せ

官僚にも必要な広報

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鳩山内閣が誕生し、いよいよ総選挙時に掲げたマニフェストが実行されることとなった。鳩山首相含め、新内閣の閣僚たちが、原稿を持たずに自身の言葉で抱負を述べていたことには新鮮さを覚えた。しかし「官僚の記者会見中止」という発言には驚きと同時に危機感を感じざるを得ない。

官僚はこれまで年金や教育など、様々な体質的問題や中には着服などの犯罪もあったのは確かである。だが犯罪に手を染めていたものは極一部の人間に過ぎず、また体質自体に異を唱えていた者もいたのではないかと推測する。それを全て悪と定義し、情報発信すらさせないと言うのは如何なものだろうか。政治家であっても故人から献金をもらい、庶民派と謳いつつも150円のメンチカツを1000円で購入する者もいる訳だ。

個人的には“どっちもどっち”だとしか思えない。“官僚を叩いて選挙に勝った”ということからすると民意とも言えなくはないが、全て政治家主導という一方的な状態に違和感を抱く。コロコロと言うことも人も変わる政治家に押しつけられる立場になると、モチベーションの著しい低下などを懸念する。同じお国のために働く同士ではないのか。対立よりも対話、単なる否定から入るのではなく相手の状況を理解した上での施策を打ってもらいたいものだ。敢えて壁を作るような施策が良い結果を生むとは思えない。

官僚サイドはこのまま動かないままなのだろうか。情報発信しないということは、情報発信している者の情報、メディアで報じられている情報に対して、認めているということである。それで良いのであれば、今後は政治家が責任を取ってくれるのであろうから政治家の言いなりになれば良いだろう。

しかし官僚の体質改善、官僚らのモチベーションについても対策は必要な筈。会見がダメなら個別取材を積極的に行い、官僚の存在意義や取り組み状況などについても積極的に情報発信をしていく必要があるのではないだろうか。

広報89箇条 黙っている者は存在価値や意思がないと思われると認識せよ


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自民党のネガティブキャンペーン

先般行われた衆議院選挙で自民党は181議席を減らし、結党以来堅持してきた与党第一党という立場を明け渡した。この大敗退の理由は専門家に任せるとして、私が気になったのは自民党が行った「ネガティブキャンペーン」である。

自民党は選挙前に圧勝という評価を得ていた民主党に対し、誹謗中傷を記した数種類のパンフレットを一般家庭に配布、またインターネット上でも誹謗中傷を自民党ネットCMとして展開した。確かに何かを訴求したい場合、地道に各家庭にパンフレットを配布し考えに目を通してもらうことは効果があるだろうし、動画を制作すればYouTubeやニコニコ動画などで展開されることを考えると、訴求効果は絶大と言える。しかし、だからと言ってこの手のキャンペーンをする際にも効果があるかと言えば懐疑的だ。

今回の一連のキャンペーンは、選挙にどれだけ寄与したのかは解らない。しかし大敗を期したこと、選挙後に一連の活動を批判されたことをみても、マイナスに働いたと言わざるを得ない。ネガティブキャンペーンは、感心出来る行為ではないが、成功した際に得られるものよりも、失敗した際の損失の方がはるかに大きいものだ。なお且つ、今回は自民党名を使って行っていることもあり、そのダメージは大きい。失敗した際のリスクを考えると、今回のキャンペーンは余りにも手法が稚拙で、短期間でやろうとしたことの失敗ではないだろうか。苦し紛れにやったこととは思うし、首班指名で白票を投じるなどとメディアの前で声高にアピールしていることからもまともな意思決定が出来ない状態というものを露呈してしまった。

広報活動は、様々なメディアを活用して情報発信をタダで出来るのだが、確かなポリシーの元で用意周到に行わなければ、逆効果、或いは致命的なダメージを受けることもしっかりと理解しなければならない。

広報81箇条 目先の効果を求めるべからず


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マニフェストは選挙用?

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第45回衆議院選挙は、民主党308議席獲得の圧勝に終わった。自民大敗と言った方が適切だろうか。これまでの選挙では、自民大苦戦と言う前評価が報じられると、大きな変化を嫌う国民性なのか、実際の投票では善戦し自民党はなんとか政権与党を維持してきたが、今回の選挙では前例にない結果となった。これで民主党は、結党13年で初の与党、そして自民党も結党以来初の野党となった。野党初心者の自民党には、政策を対話する野党になってもらいたいものだ。

さて民主党。今回の選挙では政権交代を視野に入れていたためか、非常にインパクトのあるマニフェストを掲げた。本当に実現できるのかという思いと、民主党の謳う様に変えてしまうのが良いのかという不安もある。マニフェストは公約であるが、選挙後、存在感が極めて薄れるのも現実でもある。政権交代選挙のアピール用トークとあってはならない。

しかし注意したいのは投げっぱなしなのは、なにも選挙のマニフェストだけではないことだ。企業でも最近は減った感があるが、中長期経営計画や新たな取り組みなどの投げっぱなしはある。

また有事の際、状況報告、原因究明、再発防止策などは聞くが、再発防止の取り組み成果などは余り聞くことはない。また社内でも、予算に対する見直しや見込みなどには力を入れるが、実績が出た後、予算差違などを現場レベルまで落とし込み分析を行っているのは意外と少ないのではないだろうか。余り予算や予想などばかりを強調してしまうと、現場は疲弊し帰属意識も低下してしまう。きっちりと出来たことも含めて自己分析することが重要ではないだろうか。

投げっぱなしにはしないと言う企業姿勢の見せ方も重要である。信頼感の醸成如何は、この見えないところで左右されているものだ。

広報78箇条 言いっぱなし、出しっぱなしは要注意


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説得力を上げるには

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毎日プレゼンを行っている人たちがいる。自身のプレゼン、所属する団体のプレゼン、競合団体へのプレゼンと大忙しだ。永年の積み重ねがある筈だが、全く説得力がない。では何故政治家たちの発言には説得力がないのか。

取材時に自身の取り組みをアピールしたい、自身の属する政党(会社)を良く見せたい、競合よりも勝っていると思わせたいのは、政党も企業も同じな筈。問題のひとつは実現性に欠けることが挙げられる。財源の問題を明らかにせず、夢ばかりを語る。しかし具体性に欠けることは企業側でもある話だ。では決定的に違うのは何か。それは批判しかしないことではないだろうか。

勿論メディアが批判している部分だけをクローズアップしている可能性は十分にある。しかし企業で同じことが起こったら、次回からは慎む、話し方を変えるのではないだろうか。政治家には変わろうとする気配すら感じられない。仮に民主党が、自民党の批判ばかりをせずに、これまでの麻生政権を総括し、評価できるところは評価し、手法に問題があるのであれば具体的に指摘をするなどのことを行えば、今みたいな胡散臭さは出ないはずだ。

批判での失敗は、政治家だけでの問題ではない。記者は基本的に官公庁や規制などに対する批判が好きである。社長取材の場合、思わず誘導されてそのコメントを使われるケースがある。お役所を敵にまわしても変革すべきと言う強い想いがあるのなら別だが、不用意な発言は控えるべきであろう。また永年第一線の現場で戦ってきた営業出身の役員には、競合批判がポロっと出る場合がある。これも要注意だ。

競合批判は自己満足を満たすだけで、メディアにも相手にも何も伝わらないのだ。

広報63箇条 批判だけでは逆効果と認識せよ


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間違いだらけの情報開示

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かつて情報開示の必要性が叫ばれたお陰か、企業の情報開示に対する姿勢は変化してきた。しかし逆に情報開示ばかりして失敗している例がある。それは政治家(政党)である。企業にコーポレートPRという考えがある様に、政治にも政党PRという発想があってしかるべきだ。最悪、選挙の時だけでも行えば良いものの、それすらされていない。その情報開示のし過ぎとはどういうことか。

企業で情報開示をする場合、トップマターは社長が、それに準ずることであれば、財務担当や開発担当役員などがそれにあたるのが一般的である。というか、どう考えても常識だ。しかし政治においてはその常識が当てはまらないようだ。党としてのトップマターは、党首が述べるはずなのだが、企業でいう役員、管理職クラスのみならず、一般社員の様な1年生議員なども平気で発言するばかりか、自身の党への批判も自由の様だ。企業は企業価値向上のために広報活動などを行うが、政治家は自身のアピール、保身のために政党の価値を下げているとしか思えない。

また開かれた政党をアピールしたいのか何をしたいのか解らないが、検討段階や中途半端な望みなど自己アピールしたいがためにメディアを通じて発信するのは如何なものかと思う。逆に国民に不安や失望を与えているということには気付かないのだろうか。政党には逆に党内への報道規制を、情報管理を徹底してもらいたいものだ。

これほど酷い例は企業にはないだろうが、社長の失言や部門長レベルの取材時のいき過ぎた発言は十分にある。情報発信は積極的に行えばプラスに働くものではない。適切な時に、適切な人が、適切に発信してこそ意味がある。政治家を見て笑っているばかりではなく、取材時の人選基準など見直してみては如何だろうか。

広報62箇条 適時、適切な方法で発信すべし


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