広報100箇条

広報実務にヒントとなるノウハウを紹介していきます。 広報力向上に少しでも寄与できれば幸いです。

記者会見

誰に謝る記者会見

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近年テレビなどで謝罪会見を見る機会が非常に増えたと感じているのは共通の認識ではないだろうか。原稿棒読みの説明、時間切れまで事務的に淡々と会見が終わるのを我慢している者、感極まって泣いて詫びる経営者、質問が途切れないのに強引に引き上げるなど、さまざまな映像が目に飛び込んでくる。

しかし残念ながら謝罪の意を感じられるものは多くない。

まず何故謝罪会見が増えたのか。これは単純に偽装や事件事故などの不祥事の案件が増えた、或いは報道側の取材力が向上したという理由では納得がいかない。恐らく、単純に謝罪すれば良い、早期に謝罪してしまえばその後追及されなくて済むという安易な考えが浸透しているせいではないだろうか。実際、如何にも安易な考えで謝罪会見に臨み、なおさら企業価値を下げているところも少なくないと感じている。

そして謝罪の意が感じられないのも前述の様な、如何に会見をこなすかとしか考えてないからではないだろうか。会見場にいる記者に対して表面的に謝っているとしか思えない。謝罪は本来、被害者にするものであり、意思表示として大事なのは、それに加えて“二度と起こさない決意”ではないだろうか。

会見時のポイントを抑える、会見の流れやメディア対応のテクニック、第三者からの視点などのアドバイスをPR会社に頼るのも一つの手ではある。これがあるなしでは結果に差があると言えるが、それに頼り切ってしまうのも謝罪の意が伝わらない原因でもあろう。不器用であっても、謝意や今後の決意を伝えることに注力する方がまず重要である。

記者は、「仏を作って魂入れず会見」だと、魂が入っていないことを報道する。早期に会見を開き、火消しをするとの思いが、本当の有事を招くことを認識すべきであろう。

広報92箇条 謝罪の本質をまず考えるべし


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逃げちゃダメ

有事の際に備えたいとは広報担当者なら誰しも思うこと。しかし幸か不幸か有事はそう起こることではないため実務を勉強する機会が少ない。だが身近に勉強になる生きた事例が転がっているので、幾らでも勉強することができる。それはテレビでの記者会見の報道である。最近ではYou Tubeなどの動画サイトでも“不祥事”や“謝罪会見”などと検索すれば多少タレントの案件が多いのは否めないが、容易にたどり着ける。ではどういう点を見れば良いのだろうか。

細かい点を挙げれば内容や服装など色々とあるが、TVで一番見るべき点はズバリ“姿勢”である。しっかりと説明しようとしているか、謝罪の気持ちを伝えようとしているかである。もっと言えば真実を話しているように伝わっているかということが大事である。新聞や雑誌と違い、TVでの報道は詳細情報までは伝わらない。“説明している姿勢”が最大で唯一の情報と考えた方が無難である。

失敗事例の多くは、最初の会見で胡散臭さを感じる。逃げる、嘘をつく、情報を出し渋っていると必ず記者は間違いなく逆の動きをとる。逃げれば追っかけてくる、嘘っぽい、情報が少ないと追及してくるのだ。説明するに適切な情報量は当然準備しておく必要がある。

併せて時系列で新聞記事やインターネットでのニュース記事を追いかけてみるとより解る。第一報はどの様な形で報じられたのか、社長はどの時点で登場しているのか、論調の変化はどうか、何度会見したのか、そしてそれぞれでのポイントはなにかなど。

これらは何も難しいことではなく誰しも解ること。ただ時間を作るか否かだけの問題である。意識して見なければ身に付かない。今から有事の際に向けてのイメトレを始めては如何だろうか。

広報73箇条 “姿勢”も大事な情報と認識せよ


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記者会見の記者集め

記者会見を行う場合、一番気を使う点は何だろうか。内容はさておき、毎回社名や社長で多くの記者を集められるところも勿論あるがほんの一握りであり、殆どの場合が“記者集め”に一番苦労しているのではないだろうか。

最近記者集めのために、より多くのメディアリストを使って配布するのが良しという傾向がある様に感ずる。リスト100件を300件、500件に増やしたからと言って参加人数はさほど差はないのではないだろうか。逆に同じ媒体、同じ部署に複数送付する、複数の記者クラブに配布することで混乱を招いている可能性があることも忘れてはならない。記者集めにも一定のルールやマナーを守らなければならない。また闇雲に多くのメディアに声を掛けるよりは、まず集めたい人数分の精度の高いリスト作成が重要ではないだろうか。

そして記者集めの最大、最重要ポイントは、より多くの記者に個別に電話を掛け呼び込むことではない。しつこい電話掛けに辟易している記者も少なくはない。仮に電話をするにしても媒体ごとに的確な内容で訴求できなければ全く意味がない。最大のポイントは“記者会見の案内”の内容である。ここで如何にニュース性があるかを端的に伝える事が出来るかが最大のキーである。

嘘をつかずに大きく言うことはそう難しくはないことだが、案内状はあくまでも案内状であり、リリースであってはならないことが難しい。つまり、書き過ぎてしまうと、それだけで先に一報報じられてしまう可能性があるからだ。

加えて大事なポイントは、会見に対する興味関心は、新聞(一般紙、専門紙)、雑誌、TVなどメディアによっても違うことだ。新聞はニュース性を一番重んじるが、TVではやはりどんな“絵”が撮れるかが重要となる。TV向けには別の案内を作る、或いはどんな絵が撮れるかと言う情報を付加させるなどの工夫が必要だろう。

広報72箇条 電話掛けより案内状作成に注力せよ


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呼んで言えないはあり得ない

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広報案件の発表手法で、成功すれば効果が大きいもののひとつに記者会見が挙げられるだろう。しかしテレビなどで見る限りでは、上手く効果が出せているとは言えない、或いはやらない方が良かったと思える会見も目にする。ではどの様な会見がマイナス要素をだしているのか。

まず記者会見は何故、どの様な時に行うのか。大きく分けて2つの要素が挙げられる。まず出来る限り多くの人に伝える必要がある、伝えるに相応しい広報素材であることであろう。それにはそれ相応のニュース性が必要であり、事案的なニュース性のみならず、どこまで言えるのかということも含めて事前に検討する必要がある。

そしてもう一つの要素は、発信するだけでは理解が得られない場合である。リリースの一斉配布でも十分大きな報道効果を狙えるが、普段付き合いのない記者の場合、そのリリースだけでは十分な理解ができない。その様な記者に対し十分な説明ができること、また質疑応答ができるため、より深い理解が得られる。しかし逆説的に考えれば、十分な説明ができない、質問に答えられない場合は、記者会見を行うに相応しいとは言えないだろう。

参加する記者の立場からすると、呼ばれて来たのに言えないとはあり得ないということだ。余りひどいと、論調まで容易に変わってしまう。失言や、変顔ばかり報じられる、或いは今後の取材活動にも影響する場合がある。確かに営業政策上や相手がある場合に、言えないことがあることは理解できる。その場合は、言えない理由をはっきりと説明する必要があるだろうし、余り言えないことが多い場合は他の発表手法を検討した方が良い。

単に発信者として言いたいことだけを多くのメディアに取り上げて欲しいという安易な考えで記者会見を行うと痛い目にあう。記者会見を行うのであれば、それ相応の覚悟、準備が必要である。

広報68箇条 言えない状態でのニュース性を吟味せよ



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