広報100箇条

広報実務にヒントとなるノウハウを紹介していきます。 広報力向上に少しでも寄与できれば幸いです。

危機管理広報

社長と喧嘩せよ

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「君はサラリーマンだろう、俺の指示に従え!」「いや、それはできません」。これは企業の広報担当者であった頃の私と社長との会話である。多少極端かもしれないが、これを単に無謀な会話と思うか、広報担当にはそう言う時もあると思うかで、広報業務に対する“想い”が解る。ではサラリーマンである広報担当者が社長とぶつからなければならないケースとはどういう時か。

本来広報は経営の一端であり、経営トップと立場的に対立するものではない。しかし広報的視点が常に経営判断の中で優先される訳ではないのも確かであり、時に経営陣と観点が分かれる場合がある。経営者も色々で、営業畑や技術畑出身者で特徴がある様に、広報畑出身者が経営トップに数多くなれば状況も変わってくるとは思うのだが…。

経営トップと意見が対立するケースで特に多いのは、有事の際の広報対応ではないだろうか。双方とも会社を守りたいと言う想いは同じだろうが、守るために「情報を出し渋る」「情報を開示する」という意見で割れるのではないだろうか。また同じ情報を出すにしても、タイミングや出し方によっても結果が大きく変わってしまうのも広報の怖さである。それを実務感として理解しているのは、社内の中でも広報担当者でしかない。加えて有事の際に社長にアドバイスができるのは、広報担当でしかないというのも確かである。

一般的に経営トップに異を唱えるのはタブーとされるだろう。しかしマイナス情報の素早い対応、マイナスイメージの社長への直言など、社会とのパイプ役である広報担当者は時として社長にNOと言える、言い難いことを言える存在でなければならない。

広報75箇条 NOと言うことも広報の仕事と認識せよ


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草なぎ剛氏にみる危機管理広報

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2009年4月23日未明、赤坂の公園で酔っ払いが騒いでいると近所の住民から通報を受け、SMAPの草なぎ剛氏が現行犯逮捕された。今回の一連の事件に関しては、ネット上でも賛否両論、連日賑わっていた。ここで一連の逮捕劇について検証しようというのではない。単に広報的な視点で見た場合に、参考になればとの思いである。

まず第一点。誰しも酒を飲めば酔っぱらう。前夜深酒をして無事帰宅したものの、どうやって帰宅したか記憶にないという経験はないだろうか。ましてや20代、30代という若い頃であれば、その様な記憶もあるだろう。問題なのは、なぜ誰しも起こりそうな事象なのに、ここまで騒がれたかだ。一番大きな要因は、当事者が人気アイドルグループであるSMAPの草なぎ剛氏であったからであろう。他の要因についてはここでは話がそれるため割愛する。大事なのは、誰しもあるようなことでも注目度が高ければ、ここまで連日マスコミのみならず、ブログ等のネットでも騒がれてしまうということだ。別に有名でない企業は安心して良いということではないが、上場企業や大手○社と呼ばれる企業は特に些細なことでも注意を払う必要があるということだ。

次に言えるのは、論調の傾向だ。確かに無責任な行動との批判もあった。逮捕されたのだから当然であろうが、にもかかわらず擁護発言が目立ったことだ。これは日頃の心掛けと言わないまでも、印象が影響したと言える。やはり危機管理広報が重要という風潮があるが、大事なのは普段からの姿勢であると言える。

そして一番印象深かったのが謝罪会見である。釈放された日に、謝罪会見を行っていることも評価の1つであるが、弁護士同伴の会見にもかかわらず、常習性など不利になるような内容であっても、自分の言葉で誠意をもって対応し、謝罪したことが印象的であった。

ただ残念だったのは、所属事務所の報道規制である。テレビの生中継や、インターネットなどでの映像や画像使用のNGを出したようだ。マイナスの情報を出したくない気持ちも解らなくはないが、隠す、抑えようとするとメディアはその逆をいく。広報の対応如何によっては、事実に関わらず論調さえも簡単に変わってしまうことを心に留めておく必要がある。

広報34箇条 有事の際は誠意ある対応が基本

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広報担当者に必要な資質2/3

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広報担当者に必要な資質として前回、
〜宛きである 1/3
⊃祐屬箸靴討離丱薀鵐拘恭个あること 2/3
コミュニケーション能力がある 3/3
を挙げたが、この項では、バランス感覚について述べたい。

バランス感覚というものを言葉に表現するのは難しく、さまざまな意見があるだろうが私は下記と考える。
・大局的に物事がみられる
・公私の区別がつけられる
・協調性がある
・嘘をつかない
・一方的な意見を言わない  など

どれもビジネスマンとして当然のことであるが、最後の2点は特に広報担当者には重要であろう。嘘をつかないということは、人間として当たり前のことと言える。しかし広報としては実は非常に難しいことである。何故なら過失で嘘をつくことがあるからだ。例えば、営業部門から今回の新製品は“業界初”であると言われそのまま記者に伝えたとする。実は蓋を開けたら競合他社も同様の製品を出していたとする。記者は常に情報の検証作業をしているものの、そのフィルターを抜けてしまうこともある。そのまま報道されてしまうと大問題である。故意でなくとも“嘘は嘘”である。メディアとの関係も一瞬で崩壊してしまう。

また一方的な意見と言うのは、一見、力強いかも知れないが、実は説得力がない。時には胡散臭く取られてしまう可能性もある。広報マンは、常に自分の発言、会社としての発言を検証しながら発信していかなければならない。かといって、取材や電話での問い合わせ、会見などで急に出来るわけではない。日頃の社内での打ち合わせなど含めて、自己検証能力を鍛えていく必要がある。

広報担当者の発言は、危機管理広報という観点で“リスク要因”となり得ることを常に意識しておく必要がある。

広報32箇条 常に自己(自社)を検証せよ!

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ジャパネットたかたに学ぶ危機管理広報

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通販を利用したことがない方でも、“金利手数料はジャパネット負担”というあの名文句を聞いたことがない人は少ないのではないだろうか。長崎県佐世保市に本社を置く株式会社ジャパネットたかたは、2006年度に長崎県初の1000億円企業となった。しかし、同社はこれまで順風満帆に右肩上がりの成長を続けていた訳ではない。B2C企業にはあってはならない個人情報の漏洩を起こしていた。

2004年3月初旬、毎日新聞から149名分のリストに関する問い合わせがあった。その内容は、「氏名」「性別」「住所」「電話番号」「生年月日」「年齢」からなる個人情報であり、個人情報の管理が余り注目されていない1998年(6年前)の情報であった。クレジットカードなどの情報は含まれていない。社内調査を行った上で、3月9日火曜日に個人情報の漏洩を公表し、各紙は同日の夕刊でその内容を一斉に報じた。

発表後すぐに社内調査委員会、セキュリティ委員会を組織したが、これは当たり前の対応として、同社の特徴的な対応を下記する。

・3/9の公表と同時に、真相解明を優先させるために通販事業を自粛
(少なくとも3月中は自粛と公表 実際の営業再開は4/25)
・少なくとも149名が漏洩、可能性が高いユーザーでも30万人、最大で66万人の
 可能性も否定できないと公表
・警察の立件では、40万人分だが、独自調査で51万人分と発表
・マイナス報道を週末ではなく火曜日、しかも朝に公表(地方紙が夕刊で報道)
・3/9〜3/12は毎日、その後は1週間ごとに謝罪と経過報告を公表

後に代表取締役社長である高田明氏は、ある取材でこう語っている。(抜粋)
私は夢を語っている一方で、非常に大事な顧客の情報が流出していることがわかった時に、どうして私が言葉を上手く言って商品を販売することができますか。自粛しかない、何も迷いはなかった。もう一回ゼロから頑張り直すことによって、私の思いも含めて社員の思いも全国の皆さんに伝えることが出来ればなんとか乗り越えられるのではないかと、そのときはそこしか考えていませんでした。

同社の1ヵ月半での減収は150億円だったそうだが、営業再開してからはこれまで通り順調に売り上げを伸ばせたという。驚くことに、危機管理マニュアルやリスクマネジメントの専門家などのアドバイスは受けずに、対応は全て社長が考え指示したということだ。
有事の際に必要なのは、テクニックなどではなく、“顧客に誠実な対応”ではないだろうか。

広報21箇条 隠すことが守ることではない

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「危機管理広報が重要」という発想はリスク!

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私どもがお客さまとお話をさせていただく際、危機管理広報に妙に関心をもたれる方が多い。大学業界は特にその傾向が強いのではないだろうか。最近は大麻や事件事故に巻き込まれるケースが増えているから致し方ないことかも知れない。しかし広報業務の他の部分をおいて危機管理対応が最重要という発想は、何か有事の際に「表面を取り繕いたい」という様に感じてしまう。

私が新規のお客さまに対し非常に気になることに、その会社や代表者の「情報開示に対する考え方」がある。有事の際、そのリスクを最小限に抑えるには、誠実な対応(TPOをわきまえ、出せる情報は出す)にあると言える。しかし、表面的に取り繕いたいばかりに、「言えない、言いたくない」や「結論を出すのに時間をかけ過ぎる」となってしまうと、その会社に対する理解が得られないばかりか、必要以上に尾を引いてしまい、多大なる損害を被ることになりかねない。広報業務のリスク分析をする際、私は必ず代表者やその会社の情報開示に対する考え方、実情を伺っている。そのもの自体がリスク要因になりうるからだ。

有事の際、情報を出すのは当たり前として、そのタイミングが非常に重要となる。担当者が非常に努力して集めた結果であっても、遅ければそれは「隠蔽疑惑」ととられる可能性もある。有事の際は、第三者的な見解やテクニックなど必要であろうから、その際は外部のPR会社などに依頼すれば良い。しかし、その時点になってから情報を集めてみたところで遅すぎるのである。常日頃から情報の風通しを良くすることが、一番危機管理広報に必要なことではないだろうか。

広報6箇条:有事の際に向けて、社内(学内)広報を強化せよ!

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