先般行われた衆議院選挙で自民党は181議席を減らし、結党以来堅持してきた与党第一党という立場を明け渡した。この大敗退の理由は専門家に任せるとして、私が気になったのは自民党が行った「ネガティブキャンペーン」である。

自民党は選挙前に圧勝という評価を得ていた民主党に対し、誹謗中傷を記した数種類のパンフレットを一般家庭に配布、またインターネット上でも誹謗中傷を自民党ネットCMとして展開した。確かに何かを訴求したい場合、地道に各家庭にパンフレットを配布し考えに目を通してもらうことは効果があるだろうし、動画を制作すればYouTubeやニコニコ動画などで展開されることを考えると、訴求効果は絶大と言える。しかし、だからと言ってこの手のキャンペーンをする際にも効果があるかと言えば懐疑的だ。

今回の一連のキャンペーンは、選挙にどれだけ寄与したのかは解らない。しかし大敗を期したこと、選挙後に一連の活動を批判されたことをみても、マイナスに働いたと言わざるを得ない。ネガティブキャンペーンは、感心出来る行為ではないが、成功した際に得られるものよりも、失敗した際の損失の方がはるかに大きいものだ。なお且つ、今回は自民党名を使って行っていることもあり、そのダメージは大きい。失敗した際のリスクを考えると、今回のキャンペーンは余りにも手法が稚拙で、短期間でやろうとしたことの失敗ではないだろうか。苦し紛れにやったこととは思うし、首班指名で白票を投じるなどとメディアの前で声高にアピールしていることからもまともな意思決定が出来ない状態というものを露呈してしまった。

広報活動は、様々なメディアを活用して情報発信をタダで出来るのだが、確かなポリシーの元で用意周到に行わなければ、逆効果、或いは致命的なダメージを受けることもしっかりと理解しなければならない。

広報81箇条 目先の効果を求めるべからず


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