広報100箇条

広報実務にヒントとなるノウハウを紹介していきます。 広報力向上に少しでも寄与できれば幸いです。

露出分析

「リリースが減ったから記事が減った」は言い訳!

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4月に入り、新年度を迎えられた方も多いだろう。経済環境が厳しいが今年も頑張ろうと思う前に、昨年度を振り返ることをお勧めする。過去1年間の露出状況を振り返ると、普段見えない課題が抽出でき、今後に生かせるからだ。分析を継続的に続けていくことで、自身の目標設定やそれに対する実績なども把握できる為、効率的に業務を遂行できる。新聞、雑誌、テレビ、インターネットなどの媒体別、そして内容別に露出状況をまとめてみると良い。

露出状況を振り返った際、ご担当者さまから良く聞く言葉がある。それは、昨年は「リリース案件が減ったから記事が減った」ということである。これは全くの言い訳であり、差異分析したことにはならない。何故ならリリース案件が減ることは、予算の時点で把握していた筈だからだ。露出が減ると解っていながら何もしなかった、というのが正しい分析結果であろう。年度末に大きな発表案件を何本も抱えていたが、一気に次年度にずれ込んだのであれば別だが、余りケースとしては多くはないだろう。

どんな大企業や一流企業、新商品を頻繁に出している大メーカーであっても、リリースだけで充分な報道を安定的に出せる会社はない。言いたいこと、言わなくてはならないことが充分に報道されている企業はない。つまりどの会社もリリース案件以外に、どうやって報道を勝ち取るかに苦労しているわけだ。そこで報道件数を稼ぐ為にも、伝えたいことを表現するのにも重要なのが個別取材の獲得である。

リリースとして一斉配布するほどのことではないが、意外に記事になる切り口は多い。最初に検証したいのが過去にリリースした案件の“その後”である。売れ行きが好調で、当初の予定を超えて〇〇を達成した(記録性)や、当初想定していなかった使い方で評価されている(意外性)などは多いはずだ。他にも新商品ではないにせよ、会社で新たな取り組みや制度を始めた(独自性)というのもある。一度個別取材を前提にニュース素材の検証を行ってみては如何だろうか。重要なのは、ニュース性=新規性ではないことである。

広報22箇条 個別取材のネタ探しを積極的に行うべし!

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敵を知る

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報道件数を上げたいが社内や学内を見廻しても広報素材が出てこない。広報担当者であれば誰しも思うことだろう。その場合、外に目を向けると意外と簡単に見つかる場合がある。また広報担当者の自然な心理として、競合(ライバル)よりも良い報道を勝ち取りたいということがある。これら両者に効果的な手法が、「競合の露出分析」である。

露出分析と言っても記事を1つ1つ読む必要は無い。見出しや推測である程度判断でき得るため、日経テレコン21などの記事の見出し検索システムを活用すれば簡易分析は十分できる。下記の3点をみれば、大体の広報力は判断できる。

まずは露出量。過去3年間にどれだけのボリュームの記事が掲載されたのかを半期毎に時系列で見ると良い。半年で区切ると当然のことながら露出量にバラツキがでる。しかしある一定量の露出を確保しながらバラツキが少ない場合、露出量の平準化、安定化にむけた取り組みをしている可能性がある。広報力が備わっていると推測でき得る。新製品情報だけでは、当然のことながらバラツキが出るが、露出量が安定しているということは、その他の取り組みなども情報発信している可能性が高いということだ。その様な会社は充分に参考になるだろう。

続いては、露出された媒体別である。訴求対象者を網羅する様に露出されているかという観点でみると、意外と自身では付き合いのない専門紙誌で効果的に露出している場合がある。競合で露出可能であれば、当然自身の露出も可能であり、ターゲット媒体とすれば良いだろう。また5大紙によく報道されているが、産業経済紙などは殆ど掲載されていない場合などが多い。この場合、5大紙には決算数値や人事欄のみであることが多いので、中身を確認することは必須である。見出しで充分判断できるので、分けて考えるべきであろう。

最後に内容別である。自社の新商品、新サービスの他に、決算、人事関連は当然の事として、TOPインタビュー、事業戦略、企業自体としての取り組みなど、カテゴリ毎に分析してみると良い。競合の広報力が解るだけでなく、参考にできる切り口なども多いはずだ。

情報収集も広報の重要なミッションであり、経営層へのフィードバックもさることながら、広報担当者のスキルアップにも非常に効果がある。一度自身のためにもチャレンジしてみてはどうだろうか。

広報19箇条 競合の露出状況を分析せよ!

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