広報100箇条

広報実務にヒントとなるノウハウを紹介していきます。 広報力向上に少しでも寄与できれば幸いです。

メディア対応

マスコミに売り込むな!

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昔から“マスコミに売り込む”という言葉がある。恐らくメディア対応などの広報活動を行っていない会社に対する言葉であり、何もしないよりはニュースリリースなどをしたててマスコミにアプローチしていこうという意味であろう。これにはなにも異論はない。正論だろう。しかし既に広報活動を始めている方で、この“売り込む”という言葉の意味を勘違いされている方がいるようだ。

記者が嫌がる広報担当者にこんな人がいる。ニュース性がない、書き様がないのに記事化を執拗に迫る。女性の魅力を遣ったアプローチや書くと言ってくれるまで帰らない、泣き落としなど。これはゴム紐を売るには効果的な手法かもしれない。まさに“売り込み”である。

本当に記者と信頼関係を構築できれば、記者からも付き合う価値があると思って頂ければ、偶には“頼んますわ!”は有効だろう。しかし初対面やリレーションを構築できていない記者に前述の様な対応をとったとしたら記事にはされないばかりか、長い目で見た場合でも逆効果だ。本当にニュース性が高いネタを持っていっても、“また来たか”という第一印象を植え付けてしまう。要注意だ。

そしてもうひとつ大きな勘違いをされているケースがある。それは “あくまでも記事を書くのは記者である”ということを忘れているケースだ。記者は“嘘をつかれること”と“書かされること”を非常に嫌う。幾ら熟考した完成度の高い切り口、記事案でも、このまま書いてくれというのは、アプローチ手法として間違いである。大事なのは、記者に“関心を持ってもらい”、“書く気にさせる”ことである。良い企画と思っていても、記者の領分に土足で入り込めば、ただの押し売りと変わらないのである。

広報50箇条 あくまでも記事を書くのは記者である


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「言えば伝わる」は大間違い

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ニュースリリース配布後、或いは取材対応の翌日、“こんな筈ではなかった”と思ったことはないだろうか。この表現は間違っている、こんなことは言っていないなど、想定外の報道がなされたことはないだろうか?報道した記者に“誤報だ”と怒りを露わにする前に、発信者側に非はなかったのだろうか?

一般的に「言った、言わないで揉める」という言葉がある。意にそぐわない報道がされた場合、そんなことを言ったか言わないかを議事録などを元に検証する人もいるだろう。しかし、言ったか言わないかは全く問題ではない。問題視する必要があるのは、“伝わっていなかった”という事実である。

そもそも発信者側は、その企業のプロであり当たり前だが詳しく内情を知っている。しかし記者はそこまでの情報は全く理解していない。逆に記者は外部環境に詳しい、第三者としてその企業見ているが、発信者側は井の中の蛙であるなど、そもそも情報量も違えば温度差も生じている。そのため、社内で話している様な話し方では、伝わらなくて当然という前提で話さなければならない。

多分、今の質問はこういう意味だろうなと想像で話さず、こう言う理解で良いかと問うた上で質問に答えるなど自分が相手の言わんとしていることを理解しているのか、或いは自身が言ったことを相手にきっちりと伝わっているのかを話しながら検証しながら話さなければ正確な報道は期待する方が間違っている。話のみならず、正確に伝えるためには、説明資料を作成し、資料を元に説明するという手もある筈だ。

正確に伝えられたことだけが良い話し方であり、それは相手により常に変わることを頭に入れなければならない。


広報44箇条 伝わったかどうかを常に検証せよ!


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新任記者との付き合い方

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専門紙誌を除き、企業担当の記者は若手が多い。“うちの会社には、若い記者しか来ない”と言った社長もいたが、業種ごとで担当分けをしているため、単に規模などで担当を決めているわけではない。記者が若いからと言って卑下する必要はない。また良くある話であるが、取材時に上から目線になる必要も全くない。

企業担当記者は若い上に、担当替えのサイクルも早い。そのため、着任早々は知見が浅い。以前こんな話を聞いたことがある。新任記者から取材依頼があり、社長取材を実施した時のこと。その取材対応会社の基礎的な知識も乏しく、対応していた社長が激高したのだ。さてここで問題だが、誰が悪いのか?

まず激高した社長。取材は会話の内容はもちろん重要だが、雰囲気、目線、態度、話し方、言葉づかいなどが非常に重要になってくる。何故ならば、嘘をついてないか、どういう人間性なのか、何かネタなどを隠してないかと記者は常に探っている。感情的になるということは、容易に不利な情報を提供していることになる。敢えて怒らせてコメントをとる場合もある。コメントしてしまえば事実になる。メディア対応という点で失格だ。

そして記者の勉強不足は否定してもしょうがない。新任なら情報が少なくて当然だ。その前提で取材対応するのだから、広報担当者は社長に会わせる前にレクチャーをしておく必要がある。その際、メディア向け会社案内を作成しておくとよい。自社のことだけでなく、業界情報やその中での位置づけなど明記されていると記者にとって助かる内容だ。また業界の専門用語などの解説などあれば、バイブルにもなる。きっと新任で心許ない記者は恩に感じるだろう。リレーション構築していく上で大切な一歩だ。

そして忘れてはならないのは、新任記者と言えども、競合の社長や役員、銀行などあらゆるところに取材に行っているということだ。情報発信だけが広報ではない。記者は貴重な情報源である。しかし競合にも情報が流れる可能性もあることは十分理解しておく必要がある。

広報41箇条 新任記者は大事にすべし


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リリースが好きな記者はいない

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新聞や雑誌などに記事を書いてもらいたい場合どうすればよいか?との問いに、あなたはどのように答えるだろうか。ニュースリリースを作成し、メディアに配布すればよいと答える方が多いだろう。これはほぼ正解である。では、記事内容のクオリティを上げたい場合はどうすれば良いのか。これはリリースだけではどうにもならない。また何百通という多くの媒体にリリースを配信したからと言って記事数が増えるわけではない。ではニュースリリースとはどういうものか。

そもそもリリースは決定した事実、起こった事象などを淡々と書くものである。ここから書ける記事の内容は知れている。俗に言う、“ストレートニュース”や“ベタ記事”と言われるものだ。記事を書くのが記者の仕事であるが、記事を書くためにリリースを待ちわびている、あるいはストレート記事を書いて満足している記者はいるだろうか。

答えはNOである。記者にとってリリースは、きっかけとしてしか考えていない。一斉配布でリリースが配布された場合、さまざまな条件、案件によるが記者は下記の判断をする。

・記事化に値しない
 またはストレートニュースとして記事を書く(単に業務上の流れ)
・ストレート記事に近いが、これまでの取材内容などを付加させた記事を書く
・ストレートニュースは書かずに、或いはニュース性が高い場合は
 ストレートニュース掲載後、取材を実施し記者独自の切り口で追加記事を書く

このことから考えると、ニュースリリースの配布しか行っていないと、“記事化されるか否か“という判断しかされないということである。記者のみならず、同じ社内の人であってもリリースだけでどれだけそのリリースには書かれていない背景や想い、その企業のことが解るだろうか?リリースの投げっぱなしで終わらせるのではなく、個別レクチャーや日頃のメディアとの付き合いなども推進しなければ、”いざ“と言うときのリリースも生かされない事になる。

広報29箇条 リリース配布以外の活動も実施すべし!

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取り敢えず“記者懇親会”はありか?

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うちはメディアリレーションが弱いから、記者懇親会をやりたい。これは新規のお客様からよく聞く言葉である。正に“取り敢えず記者懇親会”と言った具合だ。しかしこれは、これから広報体制を構築していこうとするお客様だけではなく、名も知れた企業も含めてである。では記者懇親会に対する要望が多いのだろうか。

確かに記者懇親会は、日ごろの個別取材や記者会見などと違い、一定のテーマについて話をするわけではなく、ざっくばらんに話ができ、また記者からの話もゆっくりと聞ける。一度に多くの記者と接することができることもあり、リレーション構築という点ではメリットは大きいだろう。
またメリットは発信者側のみならず、記者側にもある。普段なかなか会えない社長に会えるばかりか、多くの担当役員にも一度に会える。しかも通常の取材と違って、広報の立ち会いのない環境で自由に聞けるのだ。

しかしメリットを裏返せば、デメリットにもなることを忘れてはならない。日ごろ頻繁に取材対応をしている社長は問題ないとして、余りメディア対応を行っていない役員の方々が不用意な発言をするケースは少なくはない。一般的に技術者は、自社の開発力を誇ろうとする傾向が強く、また営業サイドも敵対する競合企業の情報を必要以上に話すことが多い。
敢えてこの様な状況を活用するという手もあるが、大前提は広報のコントロール下で行うことではないだろうか。参加者へのメディアトレーニングなど、事前準備は必須であろう。

また記者懇親会で一番留意しなければならないことは、“記者は書くために来る”ということだ。そのためには、「書けるネタ」「書ける切り口」「書けるタイミング」などを準備しなければならない。でなければ、1度は参加したとしても2度目はないであろう。加えて、記者懇親会は継続的に実施することをお勧めする。決して都合の良い時にだけ開催してはいけない。いつ、どこで、誰が参加し、どのように、いつまで実施するのかという情報も発信していることも忘れてはならない。

広報27箇条 記者懇親会を甘く見るべからず!

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