広報100箇条

広報実務にヒントとなるノウハウを紹介していきます。 広報力向上に少しでも寄与できれば幸いです。

ニュース性

事業を継続しているのであれば広報は出来る

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これから広報活動を始めるというお客様と、これまで何度となくお仕事をさせて頂いた。その中で、“うちにニュースなんてありませんよ”などの非常に謙虚な言葉を聞く機会があった。では非上場企業や小規模企業や団体などには、本当にニュースがないのだろうか?

メディアに取り上げられるか否かの大半は、ニュース性があるか否かで決まる。しかし多くの誤解があるのは、ニュース性の捉え方である。ニュース性とは新規性だけを指すのではない。報道の元になるニュース性には、「新規性」の他に、「記録性」や「話題性」、「社会性」などと多くの切り口が存在する。そのため、記者はこれらの切り口の中から“報道に値するもの”を選択する訳だ。切り口のインパクトは大きいほど良い訳だが、ひとつひとつが小さくとも複数の切り口が合わさり、総合的にニュースの価値が上がるというケースも多い。

つまり、常に新しい商品やサービスを世に送り続けている企業でなければ広報活動ができないというものではない訳だ。逆に“新しさ”だけでは価値はないという考えもできる。

どんなに小さな企業や団体でも事業や活動を継続しているのであれば、その存在価値がある筈だ。開発力なのか、営業力なのか、社長のキャラなのかは様々であろうが、“ニュースがない”と思われている会社や団体があれば、間違いなく「存在価値の理由」や「自社の強み」を理解していないのではないだろうか。

自社の存在価値や強みを再認識すれば、広報活動ができるだけではなく、強みをより生かす、或いは課題を抽出するなど、事業運営の見直しもできる。また広告などのうち出し方も変わってくるのではないだろうか。

逆にいえば、将来的に広報活動をしない企業は、”存在価値がない”と思われる可能性も出てくるだろう。

広報85箇条 企業価値の再評価を


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呼んで言えないはあり得ない

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広報案件の発表手法で、成功すれば効果が大きいもののひとつに記者会見が挙げられるだろう。しかしテレビなどで見る限りでは、上手く効果が出せているとは言えない、或いはやらない方が良かったと思える会見も目にする。ではどの様な会見がマイナス要素をだしているのか。

まず記者会見は何故、どの様な時に行うのか。大きく分けて2つの要素が挙げられる。まず出来る限り多くの人に伝える必要がある、伝えるに相応しい広報素材であることであろう。それにはそれ相応のニュース性が必要であり、事案的なニュース性のみならず、どこまで言えるのかということも含めて事前に検討する必要がある。

そしてもう一つの要素は、発信するだけでは理解が得られない場合である。リリースの一斉配布でも十分大きな報道効果を狙えるが、普段付き合いのない記者の場合、そのリリースだけでは十分な理解ができない。その様な記者に対し十分な説明ができること、また質疑応答ができるため、より深い理解が得られる。しかし逆説的に考えれば、十分な説明ができない、質問に答えられない場合は、記者会見を行うに相応しいとは言えないだろう。

参加する記者の立場からすると、呼ばれて来たのに言えないとはあり得ないということだ。余りひどいと、論調まで容易に変わってしまう。失言や、変顔ばかり報じられる、或いは今後の取材活動にも影響する場合がある。確かに営業政策上や相手がある場合に、言えないことがあることは理解できる。その場合は、言えない理由をはっきりと説明する必要があるだろうし、余り言えないことが多い場合は他の発表手法を検討した方が良い。

単に発信者として言いたいことだけを多くのメディアに取り上げて欲しいという安易な考えで記者会見を行うと痛い目にあう。記者会見を行うのであれば、それ相応の覚悟、準備が必要である。

広報68箇条 言えない状態でのニュース性を吟味せよ



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ニュース性の低いネタの扱い方

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安定的、継続的に情報発信を行っていくのは難しいこと。新製品や新サービスなどの情報が比較的多い大手メーカーでも苦労しているのが現状である。情報発信すべく積極的にニュース素材は発掘したが、どうもニュース性が足りずにリリースすることを諦めることは多いだろう。しかし数少ないニュース素材をそこで諦めるのは実にもったいない。何かリリース配布以外の策はないのだろうか。

まず認識を改めなければならないことがある。それは情報発信の手法は数多くあり、その代表的なものがリリース配布であるが、手法の1つに過ぎないということである。かつリリースはある一定以上のニュース性がなければ出せないものだ。そう考えると、メディアに向けた情報発信方法は、リリース配布以外をメインに考える必要があるとも言える。

リリース配布以外の発信方法は、個別取材が代表的であり、如何に個別取材を勝ち取っていくかが大きな成果の分かれ道となる。個別ネタでの取材誘致の検討は最優先として考えるべきだが、それ以外にも1つの素材では難しくとも合わせ技でのニュース性評価もしてみるべきだ。加えてメインのネタでの取材時に、補足的に付加情報として情報提供する手もある。

またリリースには出来ない情報でも、数が多ければそれ自体で企業活力という情報も付加される。半期に一度でもそれらをまとめてみて、ニュースレターというものにしたててみては如何だろうか。或いは日々使うメディア向け会社案内に付加していくことも効果的である。また自由に発信できる媒体として、自社Webの存在も忘れてはならない。

広報49箇条 リリース以外の手法を活用すべし


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映画「おくりびと」はなぜヒットしたか

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凡そ半年前、おそらく十数年ぶりに映画館に足を運んだ。国内外の数多くの賞を総ナメにする前からなぜか興味を持ち、DVD化を待てなかったのだ。映画「おくりびと」(英題:Departures)は、なぜヒットしたのか。映画には正直かなり疎い方だが、広報的に参考になることがあればとの思いで検証してみる。

まずヒットの最大の理由は、国内外の多くの賞を受賞したからであろう。日本アカデミー賞10部門、ブルーリボン賞(主演男優賞)や、海外でもアカデミー賞(外国語映画賞)、モントリオール世界映画祭グランプリなど、国内10、海外6の受賞とそうそうたるものだ。詳しくはこちらwikipedia ではなぜここまで評価されたのか。

私が注目したのは2点。ひとつは誰しも関心のある“死”をテーマに取り上げたこと。そしてもうひとつは、日本人ですら知り得なかった職業、“納棺師”に焦点を当て、真の聖職と思える様に見事に描いたことである。死の尊厳という誰しも関心を持つテーマと、日の目を浴びていなかった納棺師と言う新たな切り口の融合がヒットした要素ではないだろうか。どちらかが欠けていても昨今の様な評価は得られなかったであろう。

広報担当者が広報素材を発掘した際、如何にニュース性を向上させるかは最大の関心事である。その際、単に奇をてらった新たな切り口を出せば良いと言う訳ではなく、今回の様に誰しも関心を持つものと関連付けをさせることが重要である。単に新たなサービスの特長を訴求するのではなく、それにより生活などがどの様に変わるのかという視点が重要である。

余談ではあるが、折角映画館に出向いたが、余り感動は得られなかった。もし納棺師の美しく細やかな作法を初めて見たのだとしたら相当な感動が得られたはず。TVでの宣伝のし過ぎは如何のものかと思わずにはいられない。

広報43箇条 複数の要素を関連付けよ


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あなたは社長をどこまで知っていますか?

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あなたの会社の社長はどの様な方ですか?との問いに、あなたはどこまで語れるだろうか?別にストーカーになって土日まで追いまわして人となりを探る必要はないが、趣味などは最低限知っておく必要がある。ゴルフならハンディキャップ数も必要がある。なぜか?

一般的に企業のニュース性は、業態や業績、その広報案件自体もさることながら社長の手腕、キャラクターが寄与するところがある。取材をしてもらえるか否か、或いはその記事が出るか否か、記者会見の参加状況などに影響する。日頃から社長自身の広報も必要と言うことだ。

例えばある事業部門で発表案件がある場合、単に“行います”としか言わないのと、“社長肝入りの事業”として言うのとでは、説得力が違ってくる。社長の役職だけの経歴は、社長経歴書に書かれているから敢えて頭に入れる必要はないが、これまでどの様な担当や役割を担ってきたのかは頭に入れておくと良いだろう。

また“顔の見える経営”という視点も重要である。どんなに企業として良い情報を発信していても、誰が発信しているのか、誰が経営しているのかが解らなければ、なかなか思想や想いなどまでは理解されないし、また浸透しない。そのためには社長取材などを多く実施し、顔写真入りの記事を多く出していくことが重要である。その際、堅苦しい本業での話だけではなく、趣味や失敗談などのエピソードなどが掲載されれば、“人柄”という情報が発信でき、より身近に感じてもらうことができる。失敗は恥ではなく、それをどう乗り越えたかを聞きたいのだ。失敗して左遷されたでは面白くないが、社長になったということは、失敗は成功の元と言えるのだ。

一度時間を作って社長に取材をしてみるとか、夜お酒を共にしながらざっくばらんに人となりを聞いてみるのは如何だろうか?

広報39箇条 社長を徹底的に勉強すべし!

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